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夫と結婚してから甘いものが欲しくなくなった理由『キレる女 懲りない男』黒川伊保子

今一番気になる黒川伊保子さんの著書、『キレる女 懲りない男』の簡易レビューです。

黒川伊保子さんは、脳の研究者です。AIの研究を経て、脳科学をマーケティングの世界に引っ張りこんで大成功を収めた方です。

育児書『母脳』など著書多数。

fumikoyamamoto.hatenablog.jp

男と女の脳のつくりの違いは、「脳梁」と呼ばれる部分にあります。

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男女の脳梁の違い

右脳と左脳をつなぐ神経線維の「脳梁」を比較すると、女性の「脳梁」に比べて、男性の「脳梁」は細いです。

たとえば、左右の脳の連携が良い女性脳は、目の前の物事を即座に捉えることが得意ですが、左右の脳の連携が悪い男性脳は、目の前の些細な変化に疎いそうです。

このように『キレる女 懲りない男』は、脳の観点から、夫婦仲に対するアプローチを示してくれる良書でした。

『キレる女 懲りない男』の目次はこんな感じです

第一章:脳には性差がある

第二章:恐るべき女性脳─女性脳の取扱説明書

第三章:切ない男性脳─男性脳の取扱説明書

第四章:齢を重ねてゆたかになる─年齢脳の取扱説明書

男と女の脳の違いから起こる悲劇をどう回避するか。

家庭内においても、仕事においても、男女の脳のトリセツを知れば、悲しいすれ違いを減らすことができますよ、というのが本書の大まかな中身です。

以下、『キレる女 懲りない男』の中で、ぐっさりと心に刺さった項目についてです。

女性が甘いものをつい口にしてしまう時は、良い恋をしていない?

女性は、チョコレートが手放せなくなったら、人間関係を考え直した方がいい。(第一章より)

大学で一人暮らしを始めて、ぶくぶく太りました。

カントリーマアムの大袋やチョコパイ一箱を一気に食べてしまう。(カントリーマアムもチョコパイも、昔よりサイズが縮みませんでした?!)

朝ごはんは、チョコレートペーストを塗ったトースト。

好き勝手な「ワガママ食生活」を送っていました。それは、誰に咎められることもない自由と、初めて一人になったことによる寂しさが原因でした。

「チョコレートを食べると脳内幸福物質が出る」 「チョコレートは麻薬よりも中毒性がある」 という話もその頃耳にし、「ああ、アタシ孤独な女なのね」と嘆きながらバリバリチョコを食べていました。

そんな私だったのですが、夫と付き合ってから甘いお菓子を口にすることが減っていきました。お菓子の「爆食い」を、確実にしなくなりました。

更に結婚してからは、(産後の一時期を除き)甘いお菓子をほとんど口にしていません。

義母にも、「ふ美子さんて、甘いもの食べないのよね。そういう人って長生きするのよね」と認識されています。

私はそれを、「齢をとったから、だんだん甘いものが食べられなくなってきたのかな」と考えていたのですが、夫のお陰だったのか!という思いを持つことが出来たので、この本を読んでよかったです。

ただ、夫は結婚してから、甘いものを食べる頻度が増えたこんですよね。夫は今不幸なのだろうか・・・。

若手時代は女性社員の方が明らかに優秀

本書では、イベントの会場準備に駆り出された、新入社員の男女の差の例が挙がっています。

気が利かないでぼんやり突っ立っている新入社員の男子に比べ、女子は実にたやすく自分のやるべきことを見つけて行動する。

若手時代は、圧倒的に女性社員の方が出来が良いそうです。

しかし、私はこの男子新入社員の方に感情移入してしまいます。

高校の男女別の体育の時、私は自分自身にひどく失望しました。ハンドボールの授業の前、ゴールのポールやネット、ボールを体育倉庫から運び出して準備をします。

他の女子生徒たちは、ささっと自分の役割を見つけて準備に取り掛かる一方、私は「あっ、ネットは今運んでいるし。あっちは人が足りている。どうしよう」と立ちすくんでしまいました。

仕方なく、ゴールポールを運んでいる人たちに混ざってみました。

自分が持ったポールの軽さは、そのまま自分の人間性の軽さにつながるんじゃないのかとドキドキしました。

「気の利く人間になりたいよ」と強く思いました。

でも、もともと気の利かない人間でも、苦労しながらすこしずつでもその能力を身に付けることは可能です。

そして後天的に獲得した能力は「記号化」しやすいから、人に教える時もポイントを捉えて説明できます。

人は、人生の前半、先天的に持っている才能で輝くが、人生の後半は、意外にも苦手を克服して手に入れた才能によって「プロ」とよばれていくことになるのである(第一章より)

元・気の利かない人は、今・気の利かない人の気持ちがわかり、なにがわからないのか、どうすればわかるようになるのかを教えてあげることもできます。

気の利かないことがコンプレックスだったので、幾分か慰められました。

女性は自分より年下のエッセイストの本を買わない

「にわかには無理ですよ。女性は、自分より年下のエッセイストの本は買わないから」(第二章より)

黒川さんの編集者の人の言葉です。理由は、年下の女性のアドバイスをたいして上質だと思わないから。

「えー、ほんまかいな」と思ったので、自分が過去に購入したエッセイを振り返ってみました。

田口ランディ、さくらももこ、川上弘美、塩野七生、小川洋子、三浦しをん・・・

みんな自分よりも確実に年上の女性です。確かに。年齢を気にして買ったことはなかったけれど。

でも、アラサーの自分にとっては、大体の人が年上の女性エッセイストになるんですよね。

じゃあ若手の女性エッセイストって誰よと思って検索すると・・・犬山紙子さんがいました。御年36歳。なかなか20代はいないのか。

女性エッセイストの戦場に入っていくには、齢を重ねることが必要なんですね。

成功体験のプロセスを否定されると激しく混乱する女性脳

たとえば、最後は自分に感謝して逝った姑の通夜に、「今だから言うけど、おふくろは、最初きみのこういうところが好きじゃなかった」みたいなことを言われたら、(そして、それが心当たりのないことだったら)、ここまでの何十年の日々が破綻する。(第二章より)

物凄い怖い例ですね。

成功した=それに至るまでのプロセスも正しかったと思うのが女性脳なので、経過を一部分でも否定されると傷ついてしまうようです。

「プロセス」や「過去」を大切にするから、昔のことをしっかりと覚えているのも女性脳です。

たしかに、昔、付き合っていたころに夫が自分にしてくれた親切って、年月が流れても鮮やかに甦るんですよね。(昔言われた酷いことも鮮やかに甦ります)

セールストークにおいても「過去の否定」はNGです。

例えば、古い電子レンジを新しい電子レンジに買い替えようかなと思っている女性に対し、 「そんな古いレンジじゃ大変でしょう。こちらの最新型じゃないと」というのはNG。

「丁寧に使ってらしたんですね。でも今日からこの新しいレンジで、家事がぐっと楽になりますよ」などと、過去=古い電子レンジを否定しないことが大事になります。

女性脳は「これがベスト」という答えが直感的に降りて来る

女性脳は、感性をフル稼働して結論をだすため、「これしかない」という答えが直感的に降りてきます。

仕事においてもプライベートにおいても、直感的に「これがベスト」という方法がビビッと浮かんできます。

これはすごくよくわかります。理屈抜きでわかるんですよね、「もうこれ以外ないんだ」と。

でも男性脳は、それを理解してくれないのです。「根拠もない直感なんて馬鹿馬鹿しい」と思うのです。

特に、仕事の場においては、直感で答えを導き出したというだけでは、自分の評価を下げることにもなるので、避けたいところです。

そういった場合は、『これしかない』の他に、ダミーを二つほど用意しておいて、比較の結果「『これしかない』が一番良かったよね」、と男性陣に思わせることが対処法になるようです。

何らかの指標を作って、相対数値を付し、グラフ化したり、表にしたりすると、さらに好感度が高い、と、何人ものエグゼクティブが口にしてもいる(第三章より)

脳が最も「連想記憶」の力を発揮するのは50代の半ば

脳は、年齢を重ねるごとに、入力装置としての能力はだんだんと衰えていきます。

しかし、出力装置としての機能のピークは50代の半ばにやってきます。

「二十代のうちは何百手先も読めたよ。五十代になると、とんとそんなわけにはいかない。なのになぜか五〇代(原文ママ)の方が強い」(第四章:米長邦雄元名人の言葉より)

記憶が衰えても、50代の脳は勝ち手(本質)が見えてくるようになるなんていいですよね。

年齢ごとの脳の得意分野

☆15歳~28歳:単純記憶の入力の時期

☆29歳~39歳:失敗事例を重ねて不要な回路を知る時期

☆40歳~49歳:成功事例をなぞっていくので生きることが楽になる時期

☆50歳~59歳:経験からベストな方法を導き出せる最高の出力性能の時期

☆60歳~:自分以外の人間、物、世界に対しても、そのものの本質を見いだせる時期

アラサーなので、今は失敗事例を重ねている時期なのか・・・。ああ早く生きることが楽になる境地へいってみたい。

脳の機能はやがて衰えていくものの、人生を終える時にも、私たちを助ける働きをしてくれるようです。

その 最期のとき、脱水症状が続き、脳にエネルギー源であるブドウ糖が届かなくなると、神経系の緊張を緩和する脳内ホルモンが出て、脳は、恐怖感や痛みからも解放される。脳は、人生の最後のその日まで、優しくその道のりをエスコートしてくれる。(第四章より)

男女の脳の違いもためになりましたが、生きることの、年齢を重ねることの恐怖?を希望に変える本でもありました。

今週のお題「読書の秋」

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