割烹旅館まるなかで魚らしい魚を食べる!小説『真鶴』の舞台となった真鶴半島へ②
川上弘美の小説『真鶴』の舞台となった神奈川県の真鶴半島を訪れて、物語に登場する場所を実際に目にしました。 www.fumikoyamamoto.com
小説の主人公が最後に訪れた真鶴岬の三ツ石海岸を後にして、本日宿泊するお宿へ向かいます。
真鶴岬に別れを告げて
真鶴岬にあるバスの停留所「ケープ真鶴」からの土日の終バスは、16時29分です。
(2019年7月現在)
物語の中では主人公は夕暮れまで三ツ石海岸にとどまったあと、バスに乗ってJR真鶴駅に戻ります。
ノンフィクションの世界ではそうはいかないので、終バスで駅の方へ引き返します。
バス待ちの間に足湯に浸かる
ケープ真鶴から発車するバスは1時間に1本なので、時間を持て余した我々はケープ真鶴の裏手にある足湯へ向かいました。
足湯の営業時間は10:00から16:00まで。
我々は16時過ぎに行ったのですでに足湯の熱源が切られた後でしたが、ケープ真鶴の従業員の方が「入ってもいいですよ」と言ってくださったので、お言葉に甘えて浸からせてもらいました。おおらか!
旅行で疲弊した足が生き返りました。
ケープ真鶴からバスで
バスは山を降りて駅の方へ向かいます。
バスが通る道路の脇には、大柄な木々が林立していました。停留所「宮前」で下車して本日のお宿に向かいます。
停留所で下車して「割烹旅館まるなか」を目指す
小説『真鶴』で主人公が宿泊した、入り江にある「砂」という旅館は残念ながら実在しません。
我々が今回一泊するのは、「割烹旅館まるなか」です。
「砂」と「まるなか」の共通点は地下に浴場があることでしょうか。
まるなかは、中川一政美術館からJR真鶴駅に向かうバスの路線沿いにあり、停留所「お花畑」で下車するとすぐです。
しかし、ケープ真鶴からJR真鶴駅に向かうバスの路線沿いからは少し離れた場所にあるので、我々は徒歩でまるなかまで向かいます。
宿までの坂道を苦労して上っていく
停留所「宮前」から旅館まるなかまでは、傾斜のきつい坂を上がっています。
まるなかの看板も見えてきて「やっと到着か」と思ったところ、看板を左折すると心臓破りの坂が待っていました。それはもう、気を抜くと転げ落ちてしまいそうなほどの急な坂でした。
「割烹旅館まるなか」で宿泊
バス停「宮前」から「割烹旅館まるなか」までは、子供を連れて徒歩で10分程でした。
シンプルでこざっぱりとした部屋です。
小高い場所に建つ旅館なので、部屋からは真鶴の街並みと海が見えます。
「割烹旅館まるなか」の魚尽くしの美味しいごはん
まるなかは、元は網元だったお宿です。リーズナブルな宿泊料で、新鮮な真鶴の海の幸が食べられると評判なので楽しみにしていました。
まるなかでの晩餐
まるなかでの晩ごはんは、1階の食堂で宿泊客全員でいただきます。我々が宿泊した日には、どこかの大学の研究室の一行や、中国人の観光客の団体がいらっしゃいました。
お刺身は、湯引きした鯛・メバル・ウマヅラハギ&肝・アジ2種類。
「魚!」という感じの新鮮なお刺身でした。子供もお醤油につけてぱくぱくと10切れほど食べました。いい意味で魚くさいお刺身を食べられてよかったね息子よ。
私はカワハギの肝をのせた寿司が大好きなので、ウマヅラハギの肝がでてきて嬉しかったです。
ふっくらとして甘い焼き魚でした。
唐揚げの衣の味がおいしかったです。
沈んでいて見えませんが、海老や白身魚が入った優しいお味のお鍋です。
私の分のデザートはしっかりと息子に食べられました。
大女将らしき方が息子に「かわいいわねえ」と声をかけてくれて、おそらくは大女将のおやつであろうアーモンドチョコアイスをくれました。全く子供は得だぜ。
まるなかでの朝餉
ふっくらごはん、海苔の佃煮、卵焼き、イカのお刺身、ひじきの煮物、あさりのお味噌汁、アジの干物、海藻、そしてまるなか自慢のさつまあげ。
まるなか名物自家製さつま揚げは、甘めのお味でした。
「毎日こんな朝ごはんが食べられたらいいのに!」と大感激する妻の傍ら、甲殻類や貝が苦手な夫は「海辺の旅館の飯はギャンブルだぜ」と言っていました。エビ・イカ・貝はかなりの確率で出てきますからね。 朝ごはんから固形燃料を使う料理がでてきて幸せ。ごちそうさまでした。
たっぷりと朝ごはんをいただいて満足した我々は、JR真鶴駅へ。
真鶴を後にして、これから村上春樹さんの御宅のある大磯を目指します。