彼との将来について「別れるね」と予言する占い師!安壊の関係夫婦の運命
前回もお読み下さり多謝々々です。
つづきです。安壊の関係夫婦の交際のおなはしです。
安壊の関係の夫婦の紹介
夫:マ神(ましん)・・・揺籃から墓場まで黒髪
妻:ふ美子(ふみこ)・・・就職に向けて黒髪
占い師・・・眼鏡のロマンスグレー
父親に占いに行けと言われる
大学4年の冬、年明けに卒論を提出したふ美子は実家へと一時帰省していました。
「これが最後のモラトリアムカァ」とこたつで寝そべっているふ美子の前に、浮かない表情の両親がやってきて一言。
「ふ美子、お前占いに行ってきなさい」
一体どうしたというのか?卒論も出して、就職もなんとか決まって、実家でトドのように寝そべっている娘に、何だというのでしょうか。
「お父さん、最近占いに行ってきた」
「その占い師の人がすごく親切で信頼できる人なんだ」
「時間が勿体ないから、家族構成と生年月日を書いた紙を持って行ったんだけど、時間を延長してまで視てくれてね」
「何度か行ってるんだけどいい人だからお前も視て貰いなさい」
滔々と喋る父と、傍で無言の母。
(家庭内のごたごたなんて今に始まったことじゃないのに、なぜ今更父は占いに行ったのか?)
(家族の分も占ってもらってるなら、別に私が行く必要なくない?)
というふ美子の心の声はもちろん届かず、父は財布から5千円札を取り出して「これで視て貰いなさい」と、ふ美子の手に握らせます。
正直、ふ美子としては占いに行くことに気が進みませんでした。就職の内定が出ず、瀕死の状態だったころならば、勧めに従って占ってもらったかもしれません。
就職も決まり 、卒業も(ほぼ)決まった今、占って欲しいことは特に無いのです。彼氏のマ神との仲も別段悪くありません。
しかし、深刻な表情をする親に「NO」は通じませんでした。
ファッションビルにテナントとして入っている占いらしいので、「この金で服買ってもいいかな」と発言し、「親不孝者」と罵られたふ美子は、しぶしぶ出かけて行きました。
ファッションビルの中にある占いへ
エレベータで目的の階に降りると、いかにもという雰囲気の場所が出現。入り口には、15分4,000円という料金が書かれています。
雰囲気に圧倒されつつ入り口を進むと、中には待合室があり、20代半ばの女性が一人座っていました。
コの字型椅子が置いてある待合室
「こんにちは」と挨拶をして、あいまいな笑みを返されるふ美子。
五分ほどすると、待合室とカテーンで区切られた占いの部屋から、ギャル風の女性が出てきました。待合室の女性は、ギャルの付き添いだったらしく、二人で連れ立って出ていきました。
順番が回ってきたので、「失礼します」と声を掛けて、ふ美子は占いの部屋に入りました。
占い師は、普通の恰好をした眼鏡の初老の男性でした。いかにもな恰好をしていなかったので、ふ美子の緊張は少し解けました。
「何か占って欲しい事はありますか?」と訊かれて、最初は仕事のことを尋ねました。
まだ時間があったので、ふ美子は「あのー、今付き合っている彼氏と4月から遠距離恋愛になるのですが、どうですかね?」と、恋愛について訊いてみました。
「彼の生年月日は?」と訊かれたふ美子が「えーっと、せんきゅうひゃくXXねんの・・・」と、答え終わるやいなや
占い師は机の下で盤のようなものをぐるっとまわして一言。「別れるね」。
☝︎こんな感じのもの。もう少し簡素だったけれど。
(ええ~適当すぎない?5秒ほど盤をいじっただけなのに!)
と思ったふ美子は、「えーと、どうしても・・・ダメなんですかねぇ。なんとかならないんですかね。」と占い師に訊きました。
占い師は、もう一度チラリと盤を見やり「あー、ダメだね」とそっけなく答えます。
ショックのあまり顔が青くなるふ美子。
そうして15分が経過し、4,000円を払ってふ美子はフラフラと占いの部屋を後にしました。
占いを「ある種のカウンセリングのようなものだ」と考えるふ美子にとっては、手痛い出費でした(親に貰ったお金だけど)
当たろうが当たるまいが、占って貰ってスッキリする、言葉に勇気づけられる等等であれば、対価として納得できます。
あんな秒速で結果が占えるのか?プロだからできるのか。ほんとうに?適当すぎない?などとモヤモヤを抱えて帰路に着いたふ美子でしたが、不思議なことに、両親からは「占いはどうだった?」とは一切訊かれませんでした。
親がふ美子を占いに行かせて、占って欲しいことは一体なんだったのでしょうか。
記事のはしやすめ
おばあちゃんの言葉にちょっと慰められたふ美子。おばあちゃんは、64をこえていまも元気です。