安壊の関係【遠距離】夫婦の交際④明るい彼が暗めの彼女を選んだ理由
テニスサークルに所属しリア充な大学生活を送る彼氏と、文学オタクで友達もあまりできない彼女。
登場人物
妻:ふ美子(ふみこ)
安壊の関係の「安」にあたる。トイレの100ワットと呼ばれた父を持つ
夫:マ神(ましん)
安壊の関係の「壊」にあたる。ほのぼのした家庭で育つ
友人:やまだごろう
父の還暦祝いに大学オリジナルTシャツを贈る
おはなし
マ神と付き合い始めて、テニスサークルに所属する人々の生態を知ったふ美子。
明るいマ神の友人たちは、更に明るかった。
今まで学部でのマ神の様子しか知らなかったふ美子は、マ神が自分のように薄暗い道を歩いてきた人間ではないことを改めて感じました。
学部でのマ神は、目立つ人にへりくだらず、(ふ美子のような)目立たない人間にも変わらずに接してくれます。
いい人ぶろうとして、努めてそうしているわけではないです。何も考えてないけれど、そうなっているのです。そういう部分を、尊敬して羨ましく感じていました。
「いやーなんか本当に神様みたいにいい人なんですよ」
ふ美子は、ゼミの友人やまだごろうさんに言いました。
そしてごろうさんに言われた言葉
この時、ごろうさんがちょっと何言ってんのかわからなかったです。今でも、腑に落ちてはいません。
でもたぶん、マ神だって何かしらふ美子の良い部分に惹かれて付き合ってるという意味ですね。
一体、マ神は暗いふ美子の何がよくて付き合ってくれているのでしょうか?
暗い人という言葉を出す度に、
ちょっと暗めのきみだから
話しかけずらいけれども
(引用:ゴールデンボンバー『Sick Lady・・・たぶん』)
という歌の文句が頭の中を回ります。暗めってどういうことなんだろう。明るい暗いをすんなり分けたくないけれど、この歌の歌詞はむき出しの心に刺さります。
◆(近場での)リサーチ
やまだごろうさんより
◆(明後日の方向への)自己分析
こんな風に考えてばっかりだからモテないんだとおもう。思ったことの1割も口に出せなかった。
◆(よくわからないから)本人に訊く
(ホラーちっくな絵ですね)波長かー。まさか超現実思考のマ神からそんな言葉が出てくるとは。
目に見えないけれど、振動する波が合ったということでしょうか。
ふ美子はなんとなく嬉しかったです。動物的な、本能的な気がして。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
現在。
一緒に生活するようになっても、ふ美子はマ神のことを神様だと思っていました。結婚後暫くして、ようやくマ神が神様でもなんでもなく、自分よりも遥かに傷つきやすい人間であることに気づきました。
遅すぎたのでしょうか?
つづきはこちらです